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砂塵の記憶

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2006年 07月 12日

外伝~潮騒の鎮魂歌~序章


 始めに、二本の剣があった。
 魔を打ち砕き、人々に光をもたらす神々の剣。
 片方は魔全てを切り裂き、無へ還す剣。
 今は真龍が剣を守っている。
 そして、もう片方は、神々が魔から人を守るための剣。
 嘗て、サンドリアの騎士が使い、そして――。









 その剣は今、俺の手の中にある。
 剣は黒く、刃も潰れていて、唯の鉄の塊になっている。
 祖父は立派なサンドリアの騎士だった。
 だが、この剣で、戦場で親友を殺してしまい、それ以後、このままだという。
 内紛であったとしても、人を、親友を殺してしまったことは変わらない。
 祖父は剣以外の家財を全て処分し、騎士を辞め、そして、ここ、セルビナに移り住んだ。
 今でも、この剣は一家の長男に受け継がれている。
 曰く、これは戒めだと。
 人と人が戦うことは悲劇にしかならない。
 それを忘れないための、墓標なのだと。
 父に渡り、そして、俺に渡ってきた。
 今は漁師として暮らしている一家だ。
 物騒な剣が受け継がれている、平和な一家。それが、俺の家族だった。
 そのとき、急に周りが騒がしくなった。

「ドレッド!大変だ!人が流れ着いている!」

 漁師仲間のガルカ、バシダが叫ぶ。

「何っ!?解った!バシダは応急処置を!そのまま俺の家に連れて来い!
 場所を確保しておく!」

 俺は突然訪れた喧騒に驚きつつも、的確に指示し、家に戻った。

by creatle | 2006-07-12 23:24 | 外伝:潮騒の鎮魂歌


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